「…かわいいですね」


「…っ!?」


坂井君は突拍子のないことを平然とした表情で言った。


一気に体温が上昇して、顔が赤面するのがわかる。


「だろ?だから強制決定~♪♪」


森下君は笑顔でそう言い、坂井君の肩を組ながら部員達の輪に入っていった。


一人ポツンとその場に残される私。


さっきから開いた口が塞がらない。


───坂井君、今、何て、言った?



『…かわいいですね』


部員達がワイワイしてる輪の中から坂井君の姿だけを探し、見つめる。