無口で不器用な年下くん。



「……よし!」


タオルもミネラルウォーターも準備完了。


私は小走りで選手達の元へ寄る。


「拓哉!頑張ってね」


「おう!」


ニカッと歯を出し、いつもの笑顔で私の頭を撫でながら拓哉は返事をした。


──もう不安はないみたいだね。


私が相談に乗らなくても大丈夫だったかもね、拓哉だったら。


「莉子、お前を全国に連れていってやるよ」


…っ。


拓哉のその言葉に心臓がドキッと跳ねる。


まだ一回戦も始まってないというのに。


本当、拓哉らしいや。