「拓哉はまたコーヒーだけ~?」 「お腹減ってないし」 「でも部活後だから減るじゃん!普通は」 「莉子が幸せそうにオムレツを食べてる姿を見てるだけで腹一杯になるの」 ……。 目を細めてハニカミながらそう言う拓哉にドキッとしてしまった。 そうやって恥ずかしいことをさらっと言ってしまうんだから…。 照れを隠すために、スプーンで掬い取ったオムレツを口に含む。 口一杯に広がる甘い香りと風味。 体がとろけてしまいそうだ。