無口で不器用な年下くん。



目を輝かせ、オムレツを見つめていると、拓哉が口を手で押さえながらクスクスと笑った。


「…何~?」


いきなり笑いだす拓哉に上目で問う。


「いや…、いつもそれ見る度美味しそう!って顔するよな」


そう言ってまた笑い出す。


「美味しそう!じゃないよ。美味しいんだよ!これ」


私がそう説明しても拓哉は、ハイハイ、と簡単に受け流す。


フと、拓哉の目の前を見てみると、コーヒーカップが一つ置かれてあった。


それもいつもの光景だが、今日は疑問を抱いてしまう。