「人一倍頑張ってきたじゃん。一年生の時から知ってるよ、見てきたんだし」
雰囲気がどんよりしないようになるべく笑顔で私は言う。
みんなが帰った後にも一人で薄暗い体育館で練習してたじゃん。
試合に負けて、失敗してしまって落ち込んでる選手を目一杯励ましたりしたじゃん。
そうやって部長としての役割は他人が見ても頑張っているよ、拓哉は。
「もし試合に負けてしまって、私達が引退になってもそれは拓哉の責任じゃない。だからプレッシャーなんて感じることないんだよ?」
私がそう言った瞬間、拓哉の少し充血している目が微かに動いた。

