詩野が眠そうに、 下を向きながら足をぶらぶらさせる。 「なに?」 詩野が突然僕に言った。 「え?」 「今何か言わなかった?」 「いや、何も」 「そっか…」 そう言って詩野は、 また下を向いて足をぶらぶらさせた。 どうしたんだろう。なんか変だな。 まさか… 幻聴? 病気と関係があるの? この辺りは特別騒がしいというわけでもない。 じゃあどうして。 ここ数カ月、詩野はいつも通り元気だったけど、 僕の知らないところで、 病気は確実に進行してるということか。 考え過ぎだ… .