繁華街を抜けてほど近い場所に、
少し大きな公園がある。
僕は駅から一番近い入口から入り、すぐ右側にある古ぼけたベンチに座った。
煙草に火をつける。
フゥー。
溜め息と同時に煙を吐き出した。
少しでも嫌なことがあると、
僕はいつもここへ来る。
もう習慣のようなものだ。
煙草を吸うには火が必要。
それと同じように僕にはこの公園が必要だった。
そういえば、
昔はよくこの公園で遊んだ。小学校三、四年くらいか。
学校が終わると決まって十人くらいで集まった。
この公園にはよく野良猫がいて、
石を投げたり、棒でつついたりしてみんなでよくいじめていた。
右目の周りだけ真っ黒なその野良猫を、
僕らは『ニャン吉』と名付け、毎日毎日いじめては楽しんでいた。
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