「調達?」 段々小さくなっていく二人を見ながら、 不思議そうに詩野が呟く。 「ナンパだよ」 僕は、腕にこびりついた砂を払いながら答えた。 「ナンパ!?」 「多分」 「もう、失礼しちゃうわ。私も一応女なのよ?男だけの時にすればいいのに」 「ハハ。そうだね」 「各務くんは行かないの?」 「僕はいいよ」 「どうして?」 「詩野が独りになっちゃうし」 「そっか。優しいね」 「…そんなことないよ」 焼けたからなのか、恥ずかしいからなのか、 頬が赤くなってるのが自分でもわかった。 .