「なぁ浩二、今度は何を買うの?」 「俺?今日は俺じゃないよ」 「俺じゃない?」 浩二は数メートル後ろを歩く大輔を指差した。 「あいつだよ」 「え?大輔?」 「そう。あいつが欲しい物があるって言うからついてきたんだよ」 「そうなんだ。大輔!欲しい物ってなに?」 僕は振り返り、 そのまま後ろ歩きで大輔に尋ねた。 大輔は何も答えず早歩きで僕らを抜き去り、 雑貨屋の前で立ち止まる。 傘を丁寧に畳んで、 そして不気味な笑みで僕の目を見て言った。 「へへ。アロマ缶」 .