気がつくと、
目的の駅をだいぶ通り過ぎ、かなり遠くの方まで来てしまっていた。
もう会社には間に合わない。
僕は電車を降り、ひと気の少ない静かな場所に行き、咳を交えながら、
「高熱を出してしまい、今日は行けません」
とだけ伝えた。
許されることじゃないのはわかってる。
でも夢の出来事が忘れられず、少し期待したのか、
僕は再び電車に乗り、実家の方へと向かった。
実家の最寄り駅で降りると、懐かしく見慣れた街並みが僕の心を落ち着かせた。
僕はそのまま、あの時、そして夢の中でも、
詩野と約束を交わした公園へと歩き出した。
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