『えー、これが最後になっちゃうけど、聴いて下さい』 そう言って、その日福岡に戻らなくてはいけなかった詩野の曲が始まった。 目を閉じて、 あの頃の僕らの思い出を心の中に描く。 ゲームの順番を取り合って喧嘩したこと。 詩野を泣かした男たちを、砂場の砂を振り撒いて追っ払ったこと。 図工の授業で詩野の顔を描いてプレゼントしたら、 泣いて喜んでくれたこともあった。 全てが鮮明で、楽しかった日々。 やっぱり僕は、あの時からずっと詩野のことが好きだったんだ…… .