そこには『再会』と書かれたアロマ缶と、
詩野からの手紙が入っていた。
その手紙には力強い文字でこう書かれていた……
――各務くんへ
突然の手紙ごめんなさい。
口ではうまく伝えられないので、こうして手紙を書くことにしました。
私、実家に戻ろうと思う。
手術を受けるかはわからないけど、その方がいいと思って…
それと謝らなくちゃいけないことがひとつ…
オーディション…
あんなに応援してくれてたのに、優勝できなくてごめんね。
本当は、不安で不安でたまらなかったんだ。
昔から歌が好きで、いつもいつも歌ってた。
街に出て、ギター弾いて…
でもその度に馬鹿にされたり、全然知らない人に才能ないとか言われたりして…
だからもう歌なんて辞めようと思ってた。
こんなに苦しいんなら夢なんて諦めようって。
でも、そんな時、各務くんに出逢ったんだ。
覚えてる?
喫茶店で私のあとつけてきた時、あの時各務くんが、
『君の歌が聴きたくて』
って言ってくれたこと。
忘れないよ。
今も…これからも。
だって私はあの一言で、もっと頑張らなくちゃって思えたの。
