どうしてだろう。
身体が宙に浮いてる感じだ。
溢れる想いを伝えたくていつも必死だった。
でもそれがあんなに簡単な言葉だったなんて…
今のだって、本当はただ詩野を引き止めたくて…
僕がいつも抱いていた想い。
そして詩野と離れなくないという想い。
形は違っても、言葉にすれば、それは同じことだったんだ。
「…ねぇ各務くん」
「………」
「満月の綺麗な夜に二人が互いを強く想うと、満月が二人を引き寄せ、その二人は再会するの」
「それって…」
「私が一番気に入ってる歌の…」
「夢の続きで逢えたらの歌詞…」
「うん…。あれ本当は、そんな人に出逢えたらいいなと思って書いたの…」
「その人には出逢えた?」
詩野は何も言わずに視線を落とした。
今日の詩野は、なんだかすごく弱い。
枯れることのない涙が、また一つ…地面へと零れ落ちた。
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