目を疑った。
そこにいたのは、いつかのハリネズミだった。
「なんでアイツが…?」
「なんだ一軌、知り合いか?」
大輔が眉間にしわを寄せ、僕に尋ねる。
「まさか…」
間違いない。
ハリネズミがこちらに向かって歩いてくる。
「おい下手くそ!もうやめろって!」
「だ、誰ですか…?」
詩野の声は明らかに震えている。
「才能ねぇだろ?気づけよ。耳が腐っちまうよ!いつもいつも迷惑なんだよ!馬鹿が!」
容赦ない罵声に、
詩野はただ俯いたままだった。
たまらず浩二が立ち上がる。
「おいアンタ。誰だか知らねぇけど、いい加減にしろよ」
「あ?なんだお前?いい加減にするのはお前らの方だろ。こっちは気持ちよくここらを散歩しようってんだ。こんなミュージシャンごっこもう終わりにしたら?」
浩二は目を真っ赤にして、思いきり胸ぐらを掴んだ。
「なんだとてめぇ!もう一回言ってみろ」
「何度でも言ってやるよ。もうこんなお遊びはやめろ」
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