やはり現実は厳しかった。
「まぁ、次頑張ろうぜ!」
浩二がそう言うと、詩野はゆっくりと顔をあげた。
「そうね…二次も頑張らなくちゃ!」
今までの表情が嘘のように、詩野がニッコリと笑いながら声を張る。
「え?」
僕はそう言うと同時に顔をあげた。
「何みんな、深刻そうな顔して?一次よ?楽勝に決まってるじゃない!」
「じゃあ…」
「みんなありがとう。一次審査無事通過しました!」
ピースをしておどける詩野に駆け寄り、僕らは歓喜の声をあげた。
大輔は腰が抜けたようにその場に座り込み、乱暴に髪を掻きながら、
「まったく。めんどくせぇ女だな」
そう言って上唇を吊り上げ、詩野に向かって親指を立てた。
「すごいよ!詩野ちゃん!やったな!」
「おめでとう!」
「何よみんな大袈裟ね。たかが一次よ。来週も頑張らなくちゃ」
「そうだな。来週もこの調子で!」
「うん!本当にありがとう!」
僕と浩二にハイタッチした詩野は、そのまま大輔の元に歩み寄り、
手を差し出した。
大輔はその手を強く握り、
「ナイス」
そう言って、また上唇を吊り上げ微笑んだ。
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