~回想~

屋上に行くとすでに澪が居た。
あのダサい姿でフェンスにもたれて空を見上げていた。

「呼び出されて来たんだけど、何?」

「・・・・・・」

澪はクルッと180°回ってこっちを見た。
顔が少し強張っている。

「あのさ、昨日の・・・」

「あぁ、それが?」

「言って、ないよな?」

「疑うの?俺を」

「疑うよ!」

「酷いな~」

「・・・お前、気にしないのか?」

「何が?」

「男が女に変わる事」

「俺は気にしないぜ」

そう言うと澪が少しホッとした顔をする。
俺は好奇心で澪の眼鏡を外してみる、すると・・・

「可愛い・・・」

「あっ眼鏡返せ!!」

「お前、可愛い顔してるな」

「うるさい!!返せってば!」

「・・・今日から俺の前では眼鏡を外せ」

「え・・・!?」

「良いよね?」

「・・・・・・分かった」

困った顔をした後、澪はしぶしぶ頷いた。

その日から何故か俺は澪と話すのが楽しみになった。