~回想~

あいつと会ったのは夏休みに入った頃
いつもの用に図書室の本を借りようと選んでいる時だった。

俺は一番上の本を一生懸命取ろうとしている。
だが、届かない
台を使っているのに届かない・・・

(クソ・・・)

あと少しと言う所で台がグラッと揺れた
その瞬間、持っていた本が落ち時計にぶつかった。

「え・・・!?」

気がついた途端目の前が光に包まれた。
何が起こっているのか全く分からない。

(な・・・何なんだ・・・!?)

光が消え普通に図書室にいる。
だが・・・何かが違う・・・
自分の体を調べようと触ってみると・・・ムニュッ

「え・・・柔らかい・・・ま、まさか・・・」

下に視線を向けてみると・・・胸がある!
FかGぐらいある・・・
それに髪も長くなっている・・・

「う・・・嘘だろ・・・」

俺は焦って図書室を出ようとする・・・が、ガラッと図書室のドアが開いた
そこに立っていたのが三谷 陵だ
俺は慌てて図書室内に逃げる
だが、三谷は追いかけて来る

「おい、待てよ!」

「・・・来るな」

「君どっから来たの?」

「・・・うるさい・・・」

「少しで良いから話そうよ!」

急いでいたせいか俺は何も無い所でこけそうになってしまった。
三谷が俺の右手首を掴んで阻止してくれたのは良いが、時計に触れてしまったらしく俺はまた、光に包まれた。
光が消え俺は男に戻っていた。

「良かった・・・」

一安心かと思った・・・フッとまだ右手首が掴まっている事に気がついた。
チラッと見ると三谷が唖然としていた。

「あっ・・・」

「お前・・・今の・・・」

「い、今のは見なかった事にしてくれ!」

「・・・ヤダ(ニコッ」

「なっ!?」

笑顔で拒否られた・・・
何か・・・ムカツク・・・

「黙ってくれたら何でも言う事きいてやるから!」

「・・・本当か?」

「あぁ、本当だ!」

「分かった!考えておいてやるよ」

「そ、そうか・・・」

「んじゃ、宜しくな!」

ニコッと笑って三谷は図書室を出て行った。
この日から俺は三谷を言う事を聞いている。