原稿用紙の上でペンが踊り、蓮がページを捲る音と重なる。
いつも以上に内容が浮かぶ。

(今回は・・・学校を事件の現場にしよう)

「なぁ・・・」

「ん?」

「この主人公・・・僕に似てない?」

「・・・さぁな」

「う~ん・・・」

蓮が指摘したのは合ってる。
このファンタジーの主人公は“蓮”だ。
あの日、蓮の家に行った時思いつき半日で書き上げた。
何故、俺が蓮に読ませているか・・・
それは・・・

「ふぅ・・・」

「・・・・・・」

(どこまで読んだんだ?)

チラッと横に居る蓮を見ると、
顔を真っ赤にしていた。

「い、池上君・・・」

「ん?」

「コレ・・・告白・・・?」

「・・・あぁ・・・お前にラブレターだ・・・」

俺は自分の顔が赤くなるのが分かる。
蓮から目を逸らし、返事を待つ事にした。