俺は昨日の夜からずっと書いていた小説をチェックする。
物語は初めて書くファンタジーだ。

(ん~・・・どうだろうか)

ま、授業中にチェックしてるんだけどな。
書き直してチェックして、書き直してチェックしての繰り返し。
時々先生に当てられるが答えは出ているので楽。

(これで良し・・・)

チラッと蓮を見ると、目が合った。
ニヤッと笑うと顔を赤くさせ目を逸らす。

(これで・・・気づいてくれれば良いんだが)

そんな事を考えながら真面目に授業を受けた。

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HRが終わってすぐに図書室へ向かう。
放課後の図書室は人があまりいない。
後ろからドンッと押された。

「・・・痛い・・・」

「アハハハ」

「・・・蓮」

「ご、ゴメン・・・図書室一緒に行こうと思ってさ」

「・・・部活は?」

「今日は朝練だけ!」

「・・・そっか」

蓮と図書室へ向かう。
普段あまり人と関わらない俺が蓮と話して歩いているのを他の生徒が見てくる。
まぁ、気にしないけどな
図書室に着き中に入ると案の定人がいなかった。

「人・・・いないな」

「うん・・・」

「ちょうど良い・・・」

「えっ!?」

俺は鞄を机の上に置き、
眼鏡を外し、前髪を上げピンで止める。

「蓮、お前に読んで欲しいものがあるんだ」

「僕?」

「あぁ、お前の為に作ったんだ」

俺は鞄の中から原稿用紙を取り出す。
それを蓮に渡す。

「僕・・・本読まないんだけど・・・」

「良いから読め!」

「はい!!」

蓮は俺から原稿用紙を貰うと椅子に座って読む始める。
俺は新しい原稿用紙を取り出し書き始める。