「じゃ、今日もその助っ人で早いの?」

「ま、まぁな・・・」

陸君の顔がどこか焦っているように見える。
なんかあるのかな?

「お~い、海上!」

「あっ!!じゃ、じゃあな、蓮!」

「う、うん」

陸君は声のした方へ走っていく。
そこには1人の男子の姿があった。
陸君はどこか嬉しそうに笑っていた。
まさか・・・

(いや・・・ありえない)

フッと頭に浮かんだ考えを消した。
そして、急いで自転車をこぐ。
学校に着くとちょうど恭弥に会った。

「池上君」

「・・・おはよ」

「おはよう・・・今、人いないから普通で良いと思うけど」

「そうだな、今日も早いな志貴」

「ドキッ)」

急に恭弥に苗字を呼ばれてドキッとする。
いや・・・可笑しいだろう、今の

(ど、どうしたんだろう、僕・・・)

「そういや、宿題やってきたか?」

「えっ!?宿題?」

「あぁ、英語と数学だぜ」

「数学はやったけど・・・英語忘れてた!」

「バカだな」

「五月蝿い!!やらないと」

「・・・はい」

「えっ!?」

恭弥は僕にノートを差し出す。
ノートには“英語”と書かれている。

「これ・・・」

「貸してやるよ」

「良いのか!?でもさ・・・」

「・・・いらないなら自分でやれ」

「いります!!貸してください!!」

僕がノートを取ろうとすると取らせないように上にやる。
背が違いすぎるので・・・取れない。
ヒョイヒョイっと飛んで取ろうとするが・・・取れない。