蓮に教えられ研究所に行く。
家と研究所は繋がっているらしく一本道だ。

「繋がってるんだな」

「まぁな、兄さんは学校から帰って来たらすぐ研究所に篭るんだ」

「へぇ~」

「えーと・・・研究所の鍵は・・・あった!」

目の前にあるドアに鍵を近づけて鍵穴に入れる。
ガチャッと音がしてドアが開いた。
蓮が最初に入ってその後に俺が入る。
中に入ると・・・凄い本の数・・・
実験用の器具などもたくさんある。

「ここが・・・」

「父さんもココで研究していたんだ・・・この時計を研究し出来上がりを僕達3人にくれたんだ」

「ん?3人?お前と澪さんと・・・」

「僕らの幼馴染の海上 陸君」

「へぇ~」

「その研究は今、兄さんと陸君と三谷さんがやってくれてるんだ」

「ふ~ん、ちょっと時計見せて」

「い、良いけど・・・」

蓮が左腕を出す。
俺は時計をジーと見る。
可笑しい所はない、普通の時計だ。

「変わった所はないな・・・」

「だろ?でも、この真ん中を触ると女になるんだよ」

「・・・あっ!!」

フッと俺はある事を思いついた。
俺は鞄からノートを取り出すとメモをする。
蓮が不思議そうに俺を見る。

「よし・・・」

「どうしたんだ?」

「いや、別に」

「教えて欲しいけど・・・そろそろ夕飯だから」

そう蓮が言うと
遠くの方から声が聞こえた。

「蓮君、恭弥君、夕飯出来たよ~」

「はーい!じゃ、行こうぜ池上君」

「あぁ」

研究所を出て居間に行くと、
キッチンからエプロンを着た陵さんが出て来た。
エプロンが・・・似合わない・・・

「今日は、親子丼にしたから」

「うわ~、凄く美味そう」

「本当だ・・・」

ホカホカのご飯の上に少しとろ~んとした卵の中に
玉ねぎと鶏肉が妙に美味そうに見える。