蓮と恭弥が出て行った後陵が入って来た。
どこか嬉しそうだ。

「嬉しそうだな」

「まぁな、澪は推理小説とか読む?」

「時々、暇があれば読む」

「へぇ~、じゃ~この人知ってるか?」

陵はポケットの中から一冊の本を取り出す。
それを俺に渡してくる。

「・・・星 作楽?誰だ、コレ」

「今、人気があって有名な推理小説家だ」

「へぇ~」

パラパラっと見てると表紙に目がいった。
顔をあげると陵がニヤニヤと笑っていた。

「この人・・・まさか・・・」

「澪も分かったみたいだな」

「星作楽って・・・池上恭弥君なのか!?」

「そうだよ」

「へぇ~・・・凄い子なんだ」

有名人だからダサくしてたのか
カッコイイのに勿体無いなぁ~(作:お前も勿体無いよ・・・)

「んで、お前ファンなのか?」

「あぁ、面白いんだぜ!貸してやるよ」

「良いのか?」

「良いよ、澪なら」

「そ、そうか・・・」

陵が嬉しそうに笑う。
俺はその笑顔が凝視出来なくて目を伏せる。

「す、すぐ読んで返す・・・」

「ゆっくりで良いよ、ちゃんと読まないと犯人分からなくなるから」

「そんなに難しいのか?犯人見つけるの」

「あぁ、難しいぞ」

「へぇ~楽しみだな」

陵に向けて少し微笑むと頭を撫でてくれる。
撫でられるの・・・嫌いじゃない・・・
むしろ・・・好きだ・・・