「なぁ・・・」

「ん?」

「理由・・・分かるんじゃなかったのか?」

「あっ・・・兄さんに挨拶してから説明する」

「分かった」

蓮が2階に上がって行くので俺はそれについて行く。
そのまま一つの部屋の中に入って行く。
少し迷い中に入った。
ベッドの上に寝ている人が居る・・・

「この人が・・・兄さん?」

「あぁ、名前は“志貴 澪”・・・兄さん、ただいま」

「ん・・・ん~・・・蓮?」

ベッドで寝ていた人・・・澪さんが起きる。
ボサボサの頭にダサい眼鏡・・・
似てないように見えてどこか似てる・・・

「そうだよ、兄さん」

「ふわぁ~・・・お帰り、ん?そちらは?」

澪さんが俺を見る。
俺は視線を受けてドキッとする。
何か・・・緊張する・・・

「僕の学校の友達の池上恭弥君だ」

「池上恭弥です、宜しく」

「あっ、どーも・・・それで、何の用だ?」

「良く用事だって分かったね」

「まーな・・・いつもと表情が違うから」

「流石!それがさ・・・池上君にあの秘密バレちゃった・・・」

「まさかの・・・アレ・・・?」

「うん・・・」

澪さんは少し長いため息をつき
俺をジーと見る。
何か探られてるような・・・感じが・・・

「池上君・・・だよね」

「あっはい」

「見たんだね・・・蓮が“女”になるの」

「はい、見ました」

「・・・今から説明する事は誰にも言わない事を約束して欲しい」

「別に俺は人にバラす事はしない、志貴も俺の秘密知ってるし」

「分かった・・・陵、いつまで隠れてるつもりだ?」

澪さんがそう言うとドアがガチャッと開いた。
そこに陵さんが笑って立っていた。