今日も早めに学校へ行く。
昨日の事は忘れなれないが・・・仕方が無い。
今日はすぐに教室には行かず図書室で少し勉強をしよう。

(誰もいないよな?)

俺は一番奥の席に座り鞄から勉強道具を取り出し勉強を始める。
眼鏡を外し、前髪をあげる・・・いつもの俺だ。

(人がいないから出来るんだけどな・・・)

そう思いながら勉強をしようとシャーペンと持つと
奥の方でガサッと音がした。

(誰か・・・居るのか?)

俺は椅子から立ち上がり、音のした方へ行く。
近づくにつれ“ドサッ”“ガサッ”という音がしてきた。
チラッとそちらを見ると、そこには・・・

(志貴・・・蓮!?)

1人でぶつぶつと何かの本を探している。
どこか・・・真剣だ・・・

「・・・志貴・・・」

「えっ!?誰?」

小さく呟いたはずなのに蓮には聞こえていたらしい。
蓮がこっちに来る。

「お前・・・誰?」

「・・・誰でも良いだろ?志貴蓮」

「な、何で僕の名前・・・」

「知ってるのは当たり前だ、お前はスポーツが得意で有名だからな」

本来の自分が出て来る。
本来の俺はドSで人をいじめたくてしょうがない。
これを隠したくていつも眼鏡をはめて地味にしていたが・・・

「ふ~ん、お前中々可愛い顔してるな」

「だ、誰が・・・」

「クスッ・・・怯えてるのか?」

「なっ!?」

「クスクス・・・」

「ん?お前・・・どこかで見た事あるような・・・」

「・・・気づかないのか?仕方ない、俺だよ」

俺は胸ポケットに入れていた眼鏡をはめ、前髪をおろす。
蓮の顔が見る見る驚きの顔になる。