屋上へと続く階段を上りドアの前まで来た。
その時ドアから光が溢れ出ていた。

(な・・・何だ!?)

ドアに近づいてゆっくりとドアを開ける。
すると・・・そこに女子が立っていた。
どこかで見た顔つきだ・・・

(中々・・・可愛い・・・)

そんな事を思っていると女子は光に包まれていった。
次の瞬間光が消えその場に居たのは・・・志貴蓮だ。
蓮はどこか慌てた様子でドアの方へ走って来た。

(ヤバイ・・・)

俺はちょうど良い隙間を見つけそこに隠れて様子を窺う。
蓮は俺には気づかなかったらしく下へと降りていく。

(あの女子が・・・蓮?)

「ウソ・・・だろ・・・」

俺は驚きという気持ちとは裏腹にドキドキしていた。
どうしたんだ・・・俺・・・
いつもと違う蓮を見てしまったからか?



教室に戻ると蓮がいつも通り自分の席に座っていた。
俺を見るとニコッと笑いかけてくる
さっきの女の姿と重なる。

「池上君、どこか行ってたのか?」

「あ、あぁ・・・ちょっとな・・・」

「そっか!!あっ宿題で分からない所があったんだけど、教えてくれないか?」

「別に・・・良いが・・・」

「これとこれだ」

「・・・コレは」

俺は頭を切り替え蓮に教える。
だんだん騒がしくなったのでそこで終わった。

「サンキュー、池上君」

「いや・・・これくらいは・・・」

「今度何か奢るな!じゃ!」

蓮は笑顔で自分の席へと帰っていった。
すぐに蓮の周りに人が集まりだした。
俺はため息をついて勉強を始める。

(気にしたら負けだぞ・・・俺)