朝、目を覚ますと台所から音がする。
兄が朝食と弁当を作っているのだろう。

僕は志貴 蓮 鶴亀中学三年生だ。
父親と母親か居らず兄と二人暮しだ。

「ふぁ~兄さん、おはよ」

「おはよ、弁当作っといたぞ」

「どーも」

これが兄だ。
学校にはダサい格好で行くが本当は可愛い・・・
フッと見ると兄の顔色がいつもより赤い事に気づいた。

「それより大丈夫?顔赤いけど」

「大丈夫だ、寝不足だからだ」

「なら良いけどさ」

兄は夜中まで研究している。
何の研究だって?
それは父親が作った“女になれる時計”だ。
一回はめたら一生取れない・・・だから兄が研究している。

一応父親はどこに居るのか不明、母親は事故死した。
可哀想?別に・・・兄が居るから寂しくない

「はぁ~・・・」

「ん?どうした?蓮」

「いや、何も・・・んじゃ、行って来る」

「おう、気をつけろよ」

「兄さんも」

鞄を持って自転車に乗って学校に向かう。
僕が通っている鶴亀中学は家から自転車で20分ぐらい
中三にもなれば慣れたものだ。