「なぁ、兄さん」

「ん?どうした?」

「いつになったら分かるんだろうな」

「研究って言うのは年月かけてやるもんだ、まだ研究して日が浅い」

「でもさ、兄さんの体がボロボロになるよ」

「俺は好きでやってんだ、大丈夫だ」

「・・・兄さん・・・」

それから俺は研究をし続けた。


カーテンから日が差している。
俺はいつの間にか寝落ちしてしまったらしい・・・
欠伸を噛み締めながら研究所を出て自宅に戻り弁当と朝食を作る。
いつもと同じ・・・

「ふぁ~・・・あっ兄さん、おはよー」

「おはようさん、お弁当作っていたぞ」

「どーも、それより・・・大丈夫?顔赤いけど」

「大丈夫だ、多分寝不足からだ」

「なら良いけど・・・」

「ほら、さっさと食べろ」

「分かったよ」

蓮と朝ごはんを食べ学校へ向かう。
歩きながら“今日も良い天気だな”と思いながら学校内に入ると

「おっおはよー!!」

すぐに陵と出合ってしまった・・・

「・・・はよ・・・」

「ん?何か顔赤くないか?」

「別に・・・」

「そうか?」

「あぁ・・・」

「なぁ、今度お前の家に遊びに行って良いか?」

「はぁ?嫌に決まってんじゃん」

「何で?」

「ヤダから」

「無理矢理にでも行くからな」

「警察呼ぶよ」

「・・・・・・」

「はぁ・・・」

そんな会話をしながら下駄箱も近づいた瞬間目の前がフラッと歪む。
俺は倒れそうになる・・・
衝撃があるかと思ったがいつまで経っても痛みが無い・・・
チラッと見ると陵が支えてくれていた。

「・・・三谷・・・?」

「大丈夫か?」

陵が心配そうな顔で俺を覗き込む。
いつもと違う顔つきだ・・・
そう思った瞬間、俺は意識を手放した。