「おっ澪」

「志貴じゃん」

「ゲッ・・・三谷」

「嫌そうな顔するなよ」

「良いだろう・・・別に」

チラッと俺の顔を見てから俊と会話をする。
澪の顔にはバンドエイドが沢山貼ってあった。

「それより志貴・・・お前顔、大丈夫か?」

「あぁ、一応・・・」

「顔面にヒットだもんな」

「なぁ!?見てたのかよ!!」

「あぁ」

「こいつ、笑いっぱなしだったんだぞ」

「人の失敗を笑うなよ・・・」

澪が顔を真っ赤にして怒る。
だがその姿を見て・・・俺は笑ってしまった。

「お前・・・」

「悪い・・・澪が可愛くてさ・・・」

「か、可愛いって\\\」

「はぁ~・・・志貴、こいつの事は気にするな」

「・・・分かった」

「それより、今日も借りる本分厚いな」

「まぁな」

「何の本なんだ?」

「科学の本と男と女の体型の違いの本、松川君は?」

「カメラの本をな」

「それなら新刊出てたよ」

「マジか!サンキュー」

俊と澪が話し合っているのを俺はジーを見る。
何か・・・澪が楽しそうに見える・・・笑顔だし
何かムカつく・・・

「二人とも知り合いだったんだ」

「図書室で良く会うんだよな、志貴」

「あぁ・・・」

そう言いながら澪は借りた本を鞄の中に入れる。
ペコッと頭を下げて図書室を出て行く。

「行っちまった・・・」

「追いかけたければ追いかければ」

「・・・そうするわ、またな」

「あぁ、またな」

俺は急いで図書室を出て澪を追いかける。