「心配しなくても、貴方の方がずっと早く死ねるわ」
誰?
と尋ねるまでもない。
人間が扱える代物には到底見えない、大鎌を持ったその女は
多分、死神とかそんなトコロ。
我ながら反応が薄くて呆れる。
やっと俺にもお迎えが来たのか…。
さぁいつでもどうぞと両手を広げた。
「いいよ、殺してくれて」
「残念だけど、まだ“その時”ではないの。貴方が死ぬのはあと二十四時間後よ」
死神のクセになんなんだコイツ。
早くその鎌を振るってくれればいいのに。
「今すぐ殺(や)ってくれ。俺は一分一秒でも早く、こんな世界から抜け出したいんだ」

