「速水?」
「はい?」
短くなったタバコを筒状の灰皿の中に落とす。
「この時間でも親は帰ってないのか?」
「えっ?えっと……」
俺の質問に速水は車内の時計を見る。
「そうですね。まだ帰ってないです」
速水の親は、一体どんな仕事をしてるんだ?
だって、もうすぐ22時だぞ?
この時間に未成年を連れてる俺も自分で、どうかと思うが、速水の親もどうかと思う。
「飯でも食いに行く?どうせ帰っても1人で食うんだろ?」
「わぁ!いいんですかぁ?だったら、また間宮さんのとこがいいです」
何だ?今日はヤケに素直じゃねぇか。
いつもなら断るくせに。
「遅くなっても大丈夫か?」
「はいっ!明日は土曜日でお休みなんで大丈夫です」
速水はそう言って笑顔を見せた。
俺は、車をコンビニの駐車場に停めて、携帯を出して和也の携帯に電話した。



