「うはっ!わっ!キャー!」
速水の叫び声が中庭に響き渡る。
“バシャーン”
勢いよく水しぶきが上がり、速水は池の中に頃がっていた。
「おいっ!大丈夫か!?」
早く歩きたいけど、早く歩こうとすると滑って俺も危ない。
慎重に歩き、速水の傍に行く。
見事に全身ずぶ濡れの速水。
「こけちゃいました」
そう言って笑ってるし……。
「早く池から出ろ」
俺の言葉に速水は何回か転びそうになりながら立ち上がり池から出た。
俺は速水の靴を拾い上げる。
「わぁ!先生、ありがとうございます!」
靴を拾い上げた俺を見て、速水は嬉しそうにそう言った。



