「速水さん、ここで何をしてるの?」
一ノ瀬さんがそう聞いてきた。
「帰ろうと思ったんだけど、靴が行方不明で……」
私がそう言うと、一ノ瀬さんと浅見さんは顔を見合わせてクスクス笑った。
「速水さんの探してる靴って、これ?」
浅見さんはそう言って、後ろ手に持ってたモノを出してきた。
「あっ!私の靴!」
やっぱ、どっかに落としてたの?
一ノ瀬さんも浅見さんも見た目によらず、いいとこあるじゃん。
「ありがとう!」
私が靴を取ろうとしたら、浅見さんはヒョイッと靴を上に上げた。
ん?何で?
何で靴を返してくれないの?
私は、首を傾げて不思議そうに一ノ瀬さんと浅見さんを見た。



