靴がない。


あれ?


あれれ?


私は下駄箱の自分のスペースに顔を突っ込む。


上、下、左右。


くまなく見るけど、靴がない。


どっかで落とした?


下駄箱から顔を出して考えてみる。


朝はちゃんと履いてきた。


自分の下駄箱に靴を入れた。


ん?あれ?


間違えた?


いや、ちゃんと入れたはず。


いやいや、もしかして、やっぱり間違えた?


私の背より高い下駄箱の上を背伸びして見る。


ない。


下も左右も見る。


ない。


今度は下駄箱の端から端を目を凝らして探す。


けど、ない?


もしかして履いてきたと思ってたけど、履いてきてなかったとか?


うーん……。


下駄箱の前で突っ立ってると、後ろからクスクスと笑い声が聞こえてきた。