春が終わり、暑い夏がやってきた。 少し動いただけで汗が出る。 蝉の鳴き声が煩い。 夕方なのに、まだ空は明るい。 帰る用意をして、準備室の窓から空を見上げた。 クラクラしそうなほど太陽が眩しくて、思わず目を細めた。 校庭からは、まだ部活をしている生徒の声が聴こえる。 俺は窓を閉めて鞄を持つと、準備室のドアから化学室に出た。