「琴梨ちゃん、また来てね」
レジで会計を済ませ、店を出ようとした時、和也が速水に笑顔でそう言った。
「はいっ!ごちそうさまでした!また来ます!」
結局、速水がほとんど食べ尽くし、おまけにデザートのパフェまで食べる始末。
「先生、美味しかったですね~」
帰りの車の中で、そう言う速水。
「それは良かった」
「あっ!いくらでした?半分、払います」
速水は鞄から財布を出す。
ほとんど食べ尽くして割り勘ねぇ……。
飲み会なら嫌われるタイプだな。
「いらない」
「何で?」
「生徒に金を出させるわけにはいかないだろ?」
「そうですか?てか、先生って、お金持ち~!」
「いや、別に金持ちじゃないけど……」
「いやいや、お金持ちです!あ、じゃあ今日はご馳走になります!ごちそうさまでした!」
速水が頭をペコリと下げてくる。
俺は金持ち決定ですか。
てか、今日はご馳走になりますって、もうお前と飯行く予定はないけど?



