細いくせに、よく食べる。
それが速水の食べっぷりを見ての率直な感想。
「せんふぇ!おいひい、でふ」
口にいっぱい食べ物を入れたまましゃべるなよ。
何言ってるのかわかんねぇ。
「それは良かったな」
俺はそう言ってアイスコーヒーを飲んだ。
「あれ?先生、食べないんですかぁ?」
食べたくても、お前が食べ過ぎて食べれないんだよ。
「遠慮しないで食べて下さい」
よく言うよ。
俺はパスタをフォークでクルクル巻いて口に運ぶ。
「琴梨ちゃん、これも食べてね」
和也がピザを持ってきた。
「ありがとうございます!」
「和也、あんま甘やかすな」
「別にいいじゃん。ねー!琴梨ちゃん?」
「はいっ!和也さん、料理上手ですね~!どれも美味しいです!」
「まぁ、一応、ここ経営してるからね。琴梨ちゃん面白いね」
「わわ!そうでした。ゴメンなさい」
速水は話しつつ謝りつつも食べる口と手が止まらない。
食うか話すか、どっちかにしろよ。



