窓際の1番奥の席に速水と向かい合わせに座る。
メニューを広げ、テーブルに置く。
「好きなの選べ」
「えっ?いいんですか?」
「あぁ」
「わーい!」
速水は子供のように喜ぶと、メニューを凝視する。
「あぁ……迷いますぅ……。オムライスも美味しそうだし、クリームパスタも捨て難い……うーん……。どうしよう……。先生?どうしよう……」
「好きにしろ」
「好きにしろって言われてもぉ……」
あぁ!めんどくせー!
「オムライスのセットとクリームパスタのセット。ドリンクはアイスティーとアイスコーヒー」
水を持って来た和也にそう言って、メニューを閉じた。
「ちょ、先生!?勝手に注文しないで下さい!てか、私そんなに食べれません」
「オムライスとクリームパスタを食べたいんだろ?だったら両方、注文して俺と分けて食えばいいだろ?」
「あぁ!そっか!先生って頭いいですね!」
それで頭がいいと言われても……。
速水は、どんだけバカなんだよ。