【先生×生徒シリーズ】キミに、会いたくて―星空に秘めた想い―





「俺の車に乗るのは今日は2回目だけど、緊張してんの?」



俺は助手席で背筋をピンと伸ばして座っている速水に声をかけた。


俺が駐車場に行くと、あれだけ送られることに否定していたのに、車の前で直立不動なまま立っていた速水。


俺の姿が見えると、直立不動のまま、ぎごちない笑顔で手を振っていた。



「いえ、学校の人がいないか見張ってるんです。やっぱ命は惜しいんで」



速水の言葉に思わず溜め息が出そうになった。


だから俺といたって誰も命なんて狙わねぇから。


まぁ、もう何を言っても無駄か……。



「で、家、どこ?」



ここは話題を変えるしかないな。



「あ、えっと……。○○駅前まででいいです」


「あ、そっか……」



速水は行くとこがあるんだったな。


どこに行くかは知らないけど。


運転しながら速水をチラッと見ると、背筋をピンと伸ばしたまま顔だけをこちらに向けて、不思議そうに俺を見ていた。



「いや、何でもない……。○○駅前まででいいんだな?」


「はいっ!」



元気にそう返事をすると、速水は顔を前に向けた。