「先生は幸せですか?」
「俺?俺は……」
俺は幸せなんだろうか……。
「会いに行ったんでしょ?」
「あぁ」
会いに行ったよ。
七星に……。
速水が俺にくれた手紙には、ある住所が書いてあった。
そこへ行くと、そこは墓地で……。
その時、初めて七星の言ってた意味がわかったんだ。
「俺は幸せなのかな……」
「先生は幸せですよ」
「どうして?」
「愛する人がいて、愛してくれる人もいるから……」
「でも……」
でも七星は……。
「生きてますよ」
「えっ?」
「先生の心の中で、ちゃんと生きてます」
俺の心の中で生きてる……か……。
そうだな。
七星は俺の心の中で生きてるな。



