「ここは天文部の部室だけど、部員はいない。わかっか?わかったんなら頭を上げて、回れ右をして帰れ」
俺はそう一気にまくし立てた。
「私、天文部に入部します!」
上半身を起こした彼女はそう言った。
しかも笑顔で。
「はっ?」
俺は目を見開き、彼女を見た。
「だから!私、天文部に入部します!」
彼女は相変わらず笑顔だ。
「お前、日本語わかるって言ったよな?」
「はいっ!」
「だったら俺の言ったこと、わかるよな?」
「はいっ!」
元気のいい返事が余計にイライラさせる。
何なんだ、コイツは……。
バカなのか、ただの天然なのか……。
それとも俺をイライラさせて楽しんでるだけなのか……。



