「間宮さん……」
「ん?」
「私、先生の気持ちがわかったような気がします」
「えっ?」
「私は今でも先生が好き。だから……間宮さんの気持ちには応えられません……」
「琴梨ちゃん……」
間宮さん、ゴメンなさい……。
私は間宮さんの体から離れた。
そして椅子から立ち上がる。
「間宮さん、ありがとう」
私は間宮さんに笑顔を見せた。
「俺、かっこわりぃよな」
間宮さんがクスッと笑う。
「そんなことありません」
間宮さんはカッコ悪くないよ。
「琴梨ちゃん、友達として、またいつでも遊びに来て?」
間宮さんの言葉に対して、笑顔を見せた。
「私、帰りますね。ココア、ごちそうさまでした」
「気を付けてな」
「はい」
私は鞄を持って、間宮さんのお店を後にした。
さよなら……。
間宮さん。
さよなら……。
先生。
さよなら――……。
―琴梨Side end―



