―琴梨Side― 先生が起きる前に、マンションを出た。 それは昨日から決めていたこと。 先生の心には七星さんがいる。 わかっていた。 わかっていたけど、やっぱり悲しくて寂しくて……。 だからこれ以上、先生には迷惑をかけれないし、先生の心に踏み込むことも出来ない。 でもね、私の体に心に、先生の温もりが残ってるよ。 初めてを先生にあげられたことが嬉しかったんだ。 私はマンションを出た後、あの桜の木のある公園へ行った。