俺は走って、速水が両親と住んでいたアパートに来た。
どうする?
速水がいるか確かめるか?
もしかしたら俺は殺されるかもしれない……。
でも……。
俺は2階へ続く外階段をゆっくり上がっていく。
まるで、これから死刑執行される囚人みたいだ。
階段を上り、速水の部屋の前まで来た。
死刑台に上った俺。
震える手で……。
その時、中から男女の言い争う声が聞こえてくる。
その会話から速水がここにいないことがわかる。
安堵の溜め息が出る。
じゃあ、どこに行ったんだ?
俺はアパートを後にして、再び走り出した。
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