「先生は、寂しいですか?」
いつもの笑顔もなく、泣くわけでもなく、真顔でそう淡々と聞く速水。
「先生の心は空っぽですか?」
「はっ?」
だから、何なんだよ!
「先生は、寂しくて、心は穴が開いたように空っぽで……」
「だったら、何だって言うんだよ!」
速水の突然の訳のわからない質問に声を荒げる。
「それは、七星さんがいないから?」
速水の口から出た七星の名前に、俺は目を見開き、速水を見た。
「突然、何なんだよ!訳のわかんねぇこと言うんじゃねぇよ!七星は、ただの知り合いだって言ってんだろ?」
更に声を荒げ、そう言った俺に、速水は動じることなく、ベッドから立ち上がり、俺の前に立った。



