「明日、朝イチで児相へ行こう。俺も一緒に行くから……。そこで、今まであったことを全て話すんだ」
「全て、ですか?」
「あぁ。全てだ。お前がしてた仕事はいいことじゃない。世間から見たら犯罪行為だ。だけど、それは親から強要されていた。言うことを聞かなかったら暴力を振るわれ、命を奪われる危険性もあった。だからお前は被害者なんだ……」
「先生……」
ホントは警察に行かなきゃいけないのかもしれない。
でも、児相で保護してもらえるなら、それで速水の人生に光が射すなら……。
そっちの方がいいだろ?
「先生、ありがとうございます……」
速水はそう言って涙を流した。
「何だよ。泣くよ。卒業式で一生分の涙を泣かしたんだろ?あんな、速水。お前なら、ちゃんとやり直せるから……。とりあえず今日は泊まって行け」
「えっ?」
さっきまで泣いてた速水の顔が急に真顔になった。
何だよ……。
何か問題でもあんのか?



