「手紙、まだ読んでないんですね……」
「あ、うん……。ゴメン……」
「いいですいいです。気にしないで下さい。先生の読める時で……。あっ!でも、私のいない時にして下さいね」
「あぁ、わかった。てか、口、大丈夫か?」
赤くなった口元が、今は紫色に変わっている。
「大丈夫です。時間が経てば治りますから……」
速水は笑いながら、手で口元を隠した。
「なぁ、速水……。これからのことなんだけどな……」
俺はそう言って、体制を整える。
「児童相談所って聞いたことあるか?」
「聞いたことあります。でも、どんなことをしているのかまでは知りません」
「そうか。児相は速水みたいに親に虐待されてる子を保護してくれるんだ」
「保護……」
「速水、今、何歳だ?」
「17です……」
「そっか……」
児相は17歳の子供まで保護してくれるはず……。
でも速水は高校を卒業しているから保護してもらえるかわからないけど、年齢的にはいける。



