「は~い!」
中から女性の声が聞こえた。
速水のお母さんか?
てか、呼び鈴を押したものの、どうやって速水を救出するか全く考えてなかった……。
どーすっかなぁ……。
「どちら様?」
「あ、あの……こちら、アイちゃんのお家ですか?」
「はっ?」
「あれ?おかしいなぁ……。今日、アイちゃんに予約入れたら、ここに迎えに来てって言われたんっすけどねぇ……」
両親は速水が仕事を辞めることに激怒している。
辞めたら命の保証はない。
しかも今、正しくその状況だ。
速水を救出するために客を装えば、両親は喜んで速水を外に出す……はず……。



