俺が話す前に、助けを求めた人物……。
「速水か?どした!?」
「先生?助け、て……。私……私……」
速水の怯えた声の他に遠くの方で、ドアを激しく叩く音と男女の怒鳴り声が聞こえてくる。
速水の両親か?
仕事を辞めることを話して、両親が激怒して……。
速水の命が危ない!
「速水、今どこにいる?」
「家……。自分の部屋……」
「そこから逃げられないのか?」
早くそこから出ないとガチでヤバイぞ。
「ムリ、です……。うち、2階だし……」
そっか……。
2階なら無理だろうな……。
「速水!今すぐ行くから!だから、お前は親を部屋に入られないようにしろ!」
「せんせぇ……」
「泣くな!俺が絶対に助けてやるから!」
俺は、携帯を切り、キーケースを持つとマンションを出た。