しばらく天井を見ていると、化学室のドアが開く音がした。



「あのぉ……。誰か、いませんかぁ?」



女子生徒の声がする。


たまに用もないのに化学室へ来る女子生徒がいる。


はっきり言って相手にするのが、めんどくさい。


そういう時は無視をする。


そうすると生徒も諦めて帰っていく。


だからこの時も無視することを決めていた。


だけど……。



「すいませーん!」



今いるヤツはしつこい。


早く帰ればいいのに。



「すいませーん!」



あぁ!もぅ!



「チッ!」



俺は舌打ちをして、ソファーから起き上がり、化学準備室のドアを開けた。