「せんせぇ?星が綺麗ですね~!降ってきそうです!」
「冬は空気が澄んでるから1年の中で1番星が綺麗に見える季節なんだ」
「ふ~ん……」
ふ~んって……。
お前さぁ、聞くことは何もないわけ?
例えば、あの星は何て名前?とかさぁ。
一応、天文部だろ?
お前が部活動したいって言ったんだろ?
「せんせぇ?」
「あ?」
「首が痛くなってきたので、頭を元の位置に戻していいですか?」
速水の方を見ると、速水は頭を思いっきり上に向けていた。
そんな格好してたら首も痛くなるわな。
てか、限度というものを知らないのか?
「せんせぇ!」
「好きにしろよ」
速水は俺の言葉に頭を下げた。
「首は痛いし、頭に血が上るかと思いました。エヘヘ」
まぁ、あれだけ曲げてりゃあな。
頭を左右に振ったり、肩や首をトントン叩く速水を見てクスッと笑いが漏れた。



